Japanese | |
---|---|
Title | 巻頭言 |
Subtitle | |
Authors | 山本亨 |
Authors(kana) | |
Organization | 日本大学麻酔学教室 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 1 |
Number | 1 |
Page | 1-1 |
Year/Month | 1980/ |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御研究会 |
Abstract | 現在の生物学では「生命現象」とは細胞の原形質の成分, 構造とその形態が絶えず変化する物質の連続, および外界からの刺激に対する被刺激性の存在であると考えられている(世界大百科事典, 平凡社). たとえば植物は外界から二酸化炭素と水を得て, 日光のエネルギーで炭水化物を生産し, 動物はこれを摂取し, 酸素をとりこみつつ活動のエネルギーを得る. これらの過程の陰には必ず物質の移動が存在しなければならない. 物質の移動を司るのが循環であって, これはアメーバのような単細胞生物にも不可欠な機能である. この場合, 呼吸に必要なガス, 栄養物, その分解に必要な酵素と老廃物などは, 原形質流動によって細胞内を移動するので, これが循環機能であるが, 多細胞の高等動物では特別の管系が発達して循環系が次第に独立してくる. 考えてみると人体の中でも心臓という器官は一種独特のものである. 心臓が停止すれば他のすべての器官や組織細胞が死滅してしまうので, 生命の開始から終了までこの器官はポンプ作用を一時的にも止めることなく, 間断なく動き続けなければならない. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |