Japanese
Title2. わが国の臨床応用の現況
Subtitle特集/誌上シンポジウム PFC乳剤をめぐって III. PFC乳剤の臨床
Authors光野孝雄*, 大柳治正**
Authors(kana)
Organization*国立神戸病院, **神戸大学医学部第一外科
Journal循環制御
Volume3
Number1
Page51-56
Year/Month1982/
Article報告
Publisher日本循環制御研究会
AbstractFluosol-DA(FDA)は, 酸素運搬能を有する人工血液として, 動物実験の成績を踏まえ, 脳死患者への試用, 健康成人有志での第1相試験を経て, 現在臨床例にも応用され, その数は300例以上にも達している. 著者らは国内26施設で1980年夏ごろまでに使用された186例の成績をとりまとめ, 1981年3月第5回国際人工血液会議に報告したが, 本稿においてはその概要を述べた. FDAの注射は, とくに出血の場合きわめて有効であり, かつ適応, 使用量, 使用法などに注意を払って行えば副作用はほとんど全くなく, 人工血液として輸血に代わってその役目を十分果しうるものと考えられる. 使用に際しての注意事項, 使用適応などをもあわせて述べた. はじめに Fluosol-DA(FDA)は, perfluorodecalin(FDC)perfluorotripropylamine(FTPA)を7対3の割合で混ぜて乳化し, それに電解質やグリセロール, hydroxyethylstarchなどを付加してpH, 滲透圧, 粘性を調整したものであるが, これによるサルの全血交換も認むべき副作用がほとんど全くなかった1)ので, 1977年ストックホルムで開かれた第3回国際人工血液会議で, 酸素運搬能を有する人工血液の最終候補として発表された2)ものである.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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