Japanese | |
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Title | 心筋酸素需給バランスのモニターとしての心電図の価値 |
Subtitle | 解説 |
Authors | 下村克朗, 佐藤磐男, 大江透 |
Authors(kana) | |
Organization | 国立循環器センター内科心臓病部門 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 3 |
Number | 2 |
Page | 461-469 |
Year/Month | 1982/ |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御研究会 |
Abstract | はじめに 生体における各種の指標を病態の観察上のモニターとして用いることは最近の臨床医学の常識として徐々に定着しつつあり, 心筋虚血に関する心電図のモニターとしての役割については今更いうまでもない. ここでは虚血の表現として生ずる心電図の波形の変化や不整脈についてその発生機序や, 観察上の二三の要点を述べ, 日常臨床上の参考としたい. A. 虚血による心電図波形の変化 1. 虚血性ST変化の成り立ちと波形1,2) 心筋の各細胞は細胞間に存在するnexusによって電気的に結合し, このnexusを通じて同じ電位が周辺の細胞に伝わることによって組織全体が1個の細胞のように機能する構造をもっている. 正常の心室筋においては静止電位はどの細胞も一定で, したがってTQ時間に相当する時点では細胞間に電位勾配は存在しない. 一方, 拍動ごとに活動電位が生ずると細胞間の電流の流れによってQRSを生ずるが活動電位はプラトー相に到って各細胞はほぼ等しい脱分極電位となって電流の流れはなくなり, これを反映してST部分は等電位線上に戻る. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |