Abstract | 演題4は, 肺循環動態解析の方法としての肺毛細血管脈波, 光電容量脈波, 気管内心機図の評値について, 慶大関口氏からご発表を頂いた. 1)気管内圧あるいは容量の変化を示す気管内心機図で, たちあがりを示す波形P波の高さの増減が, 肺血流量と深い関連があること. 2)笑気1回吸入後の笑気の体内への吸収による基線の変化で, とくに人では, 肺血流量の定量的測定が可能であること. 3)開胸して肺表面に装着した脈波計で, 肺血流に関するかなりの情報がえられること, などが骨子であった. 北里大の剣持氏から気管内心機図は, ICUや麻酔中の非観血的モニターとして有望な方法であるが, 時相の変化を観察するSTIと異なり, 波形には種々のartifactが入る可能性があると考えられるとの指摘があった. 演者も, 手術操作等は, 測定時にはやめて, 間欠的に測定しているとのご返事であった. 左右肺への血流分布, 一側肺でのapex, baseへの分布状態, 肺硬塞部位の診断等はこの方法ではできないが, 心機図におけるP波の変化は, セロトニン, ドロペリドール等によく反応し, 笑気吸入法では, 1回拍出量, peak flow等に就いて信頼性のある数値がえられるとのことであった. |