Japanese
Title硫酸アトロピンで誘発された高度房室ブロックの一例
Subtitle症例
Authors吉田達彦*, 藤田晃*, 田中経一*, 檀健二郎*, 藤野正典**
Authors(kana)
Organization*福岡大学医学部麻酔科, **福岡大学医学部第2内科
Journal循環制御
Volume4
Number1
Page149-154
Year/Month1983/
Article報告
Publisher日本循環制御研究会
Abstract「要旨」34歳の女性で6年前と比較して房室伝導時間が延長し, 婦人科手術の麻酔中に高度房室ブロックが出現した. このブロックは人工ペーシングでは心房頻度76/分以上, 24時間心電図では78〜80/分以上, 硫酸アトロピン1mg静注では80/分以上で出現した. 同時に房室ブロック出現の際には心臓電気軸は左軸偏位, ブロックのない時は右軸偏位を示した. 術後36日目に心筋電極によるpermanent pacemaker植え込み術を施行した. この症例は刺激伝導系の広範囲な障害が疑われ, ブロック発生の機序として脚線維の不応期の不均一等の可能性が考えられた. 「はじめに」われわれは麻酔前投薬にアトロピン0.4mgを皮下注射し心房収縮頻度が増加すると高度の房室ブロックとなる症例を経験した. 術後精査した結果, 心房頻度がほぼ76〜80/分以下では左脚前枝ブロックであるが, それ以上に増加すると左脚後枝ブロックに変化するとともに, 2:1房室ブロックが起こり, さらに心房頻度が増すと, 高度の房室ブロックに移行することがわかった.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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