Japanese
Title倫理委員会の成り立ちとその後
Subtitle
Authors斎藤隆雄*
Authors(kana)
Organization*徳島大学医学部麻酔学教室
Journal循環制御
Volume4
Number1
Page158-158
Year/Month1983/
Article報告
Publisher日本循環制御研究会
Abstract昨年12月9日本邦初の倫理委員会規則が徳島大学医学部教授会を通過し即日発効した. わが国医学界の現状から見て特筆に価する出来事であった. ことの起こりは昨年9月に遡る. 或る日病院長室に森崇英教授が来られて体外受精卵子宮内移植法(いわゆる試験管ベビー)をいつでも実施できる態勢にあるのだがやってよろしいかというご相談があった. しばらく考えこんでしまった. 敬愛する同僚がぜひやりたいと言うテーマである. 「どうぞおやり下さい. できるだけの援助をしましょう」と言いたいのは人情である. しかし世論はどう反応するであろうか. 多様な価値観を持つ人々の果たしてどれだけが支持してくれるだろうか. 医師が自ら行う医療行為の結果に対して直接責任をもって対処できる範囲は限られたものである. 「試験管ベビー」に例をとれば, 生まれてくる児について産科婦人科医の手が及ぶのは生後1〜2週までである. その後は小児科をはじめとする他部門の手を煩わすわけだし, その児の長い人生に何らかの悪影響が及んだとしたら, 「社会」に受けとめて対処して貰わなければならないことも出てくるであろう.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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