Abstract | 近代的なCCU(Coronary Care Unit), mobile CCU, ペースメーカー, 抗不整脈剤, 新しいカテコラミンの開発, 心蘇生術, 除細動器などを総合したいわゆる心蘇生学1)ともいうべきものが, 各科の領域をとりはらったかたちで臨床家のものになってから約10年の歳月が経過した. このあいだ, 急性心筋梗塞におけるrhythm death2)については, 明らかな改善がえられたものの, ポンプ不全についてはCCU開設前と, その救命率の点で本質的な差は残念ながら認められない3). この点での飛躍がないかぎり, 急性心筋梗塞における救命率の向上は遅々としてはかどらぬ時期がつづくであろう. このような内科的治療限界をはるかにこえた心不全患者に対して機械的手段を用いて循環の補助, 代行を行い, あわせて冠循環, 腎循環, 血液ガス交換の改善などをも計り, さらに一旦悪循環におちいった心不全患者の心機能の回復までを目差そうというのが補助循環法である. 1960年代から開発されてきた種々の補助循環法はすべて, 重症心疾患開心術時の人工心肺よりのPump offの問題および虚血性心疾患の増加とそのポンプ不全に対する治療法の模索からはじまっている(表1). |