| Abstract | 「はじめに」高温, 多湿の環境下で運動して発生する障害を総称して熱中症というがその分類については種々の名称があり, 多少混同して用いられているきらいもある. Harrisonの内科書によると1), heat cramps(miner's cramps, stoker's cramps), heat exhaustion(heat porstration, heat collapse), heat pyrexia(heat hyperpyrexia, heat stroke, sun stroke)と分類されている. これと日本語との関係となるとさらに複雑である. 本邦では次のように分類するのが一般的ではないかと思われる. 1. heat cramps 熱疾変 2. heat exhaustion 日射病(熱疲労) 3. heat stroke 熱射病(喝病)これらの違いを明白にするために, 本題の熱射病について述べる前に, 熱疾変, 日射病に関して簡単に記述する. 「1. Heat cramps 熱疾変」乳幼児が上気道炎などの高熱に合併して疾変を生じるものも熱性疾変と呼ばれるが, これとは病態も全く異なったものである. 「1)発生条件」暑い環境下で多量の汗を出し, 水分のみを摂取して塩分の摂取が不十分であるときに発生する. |
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