Abstract | 「答」ドパミン(DOA)1)はノルエピネフリン(Nad), エピネフリン(Ad)の前駆物質として生体内に存在するカテコールアミンであり, 一方, ドブタミン(DOB)2)は新しく合成されたカテコールアミンである. 両薬とも開心術後症例において広く使用されている3). 以下, われわれの使用経験から述べるが, 容量調節は十分にされていることを前提とする. 心拍数に関しては, DOAよりもDOBの方がchronotropic作用が弱いと言われているが, むしろDOBの方が強いように思われる3). このことは, その時の循環状態よりも, 個人差が強いという印象をもっている. したがってDOBの開始量は通常の5μg/kg/minではなく, 3μg/kg/minとする方が安全である. DOAの開始量は3μg/kg/minである. 心収縮力増強作用に関しては, 同一投与量においてはDOBの方が強く, inotropic作用をより期待する時はDOBを選択すべきかと思われる. われわれの開心術後のカテコールアミンの選択は, 先天性心疾患においてはイソプロテレノール(Isp)を, 後天性心疾患においてはDOAを第1選択としている. |