Abstract | 第5回循環制御研究会は, 1984年4月4日福岡市の都久志会館で行われた. 前年, 神戸で第4回の研究会が行われた直後, 本研究会の幹事や評議員の賛同もあって主題を「脳循環」とすることにした. この会に集まる人は麻酔関係の人が多く, 一方, 臨床的に脳手術が広く行われており, これに関心のある人々が集まるであろうことから, 会の内容もこれらの人々に十分な成果を得られるものにしたいと計画した. 脳外科手術に際して, 麻酔医として重要なことは, 患者の安全を十分はかるとともに, 手術遂行に最も適当な患者, とくに脳の状態を確保することである. しかし, これは基礎的分野の医学知識を深く知り, 臨床で得た経験を十分に生かすことによって可能となる. 形式的な技術の施行に終始することは, 麻酔医にとって徒らな疲労を残すだけのこととなり, また, 他の医師からは単なる技術を施行しているとの眼で見られる結果となる. 今回の研究会は, 上述のことから脳循環をテーマとして, 麻酔医の麻酔に対する興味と発展を呼び起こし, 更に脳外科領域の麻酔実施上, 有益な成果が得られ, また, 他科の医師にとって麻酔に対する理解と関心を深め, 且つこの方面の最近の知識が得られるように勉めた. |