Japanese
TitleCa不足が高血圧の原因?
Subtitle巻頭言
Authors吉武潤一*
Authors(kana)
Organization*九州大学医学部麻酔学教室
Journal循環制御
Volume5
Number4
Page417-418
Year/Month1984/
Article報告
Publisher日本循環制御研究会
Abstract循環状態の評価に今日最も広く用いられている指標は動脈圧である. 我が国もそろそろ高令者社会を迎えつつあり, 高血圧症例の麻酔が増え, 術中, 術後の血圧管理が麻酔医の重要な仕事となってきている. 血圧を規定する2大因子として, 心拍出量(CO)と総末梢血管抵抗(TPR)とがあり, 平均動脈圧(MBP)との間にMBP=CO×TPRの関係式が成り立つ. COは心収縮力, 心拍数など心自体の機能とともに, Na摂取や鉱質コルチコイドで調節される細胞外液量に規定されている. TPRは交感神経(α受容体による血管収縮, β受容体による血管拡張)と血管作動物質(レニン・アンジオテンシン, カテコラミン, キニンなど)によって主として規定されている. 高血圧症は一般にTPRの増大した状態とされており, 実際に高血圧患者ではTPRの増大が認められ, 心拍出量は正常のことが多い. ただTPRの増加が高血圧の原因とするのは一種の短絡であり, CO, TPR, MBPの三要素は, 循環調節機構のなかで, 相互に複雑に関連し合っていることを認識しておくことが大切である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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