| Abstract | 「はじめに」脳の血流は主に4つの因子によって制禦されている. 1)血中CO2やO2の濃度, 細胞外のpHなどの化学物質(chemical stimuli), 2)脳血管自動調節能(autoregulation), 3)脳代謝の亢進や低下に伴う血流変化(metabolic factor), 4)神経性因子, である. 前三者についてはLassen1)やKontos2)らの優れた総説に述べられている如く, それらには脳血流の調節に重要な作用があることが明らかにされている, 一方脳の血管にも交感神経や副交感神経の終末, vasoactive intestinal peptide(VIP)やsubstance Pなどのneurotransmitterの存在が電顕組織学的あるいは組織化学的な方法により示されているが(図1), その意義については議論のあるところである3)4)5). 又交感神経以外の神経では脳内の走行すら不明な点が多い. 本稿では主として比較的多くの検討がなされている交感神経の脳循環に及ぼす影響について述べることとする. 「1. 脳血管の交感神経感受性」脳動脈は同側の上頸部神経節よりの交感神経線維の支配をうける. |
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