Abstract | 「はじめに」未梢組織代謝の検索上, 未梢循環動態, ことに未梢血流量測定は必要不可欠で, 従来より(1)超音波ドップラー血流計測法, (2)電磁血流計測法, (3)クリアランス法, (4)容積脈波計測法, (5)サーモグラフィー法などが開発, 臨床応用されている. 今回は, 未梢血流量を非観血的に, 直接的, 連続的に, しかも高感度にて反応するレーザー光を用いたレーザー・ドップラー血流計の改良型が開発, 市販されたので紹介する. 「原理」本血流計は, レーザー光が毛細血管中の赤血球に散乱される際に受けるドップラーシフト(周波数変化)を利用した測定法で, 流速とドップラーシフト周波数の間には直線的関係が成立するという原理に基づいている. 低出力(2mW)のHe-Neレーザー光は, 光ファイバーによりプローベへ導かれ, プローベから発せられたレーザー光は組織へ浸透する. 組織では赤血球に衝突しドップラーシフトを受けた散乱光と, 静止組織で散乱されたドップラーシフトをしていない光とに分かれ, 夫々は求心性ファイバーでピックアップされて, フォトディクターに導かれ, 周波数分析によりドップラーシフト周波数を検出し電気信号に変換される. |