Abstract | 第6回循環制御研究会は1985年(昭和60年)5月29日(水曜日), 例年の如く第32回日本麻酔学会総会の前日に, 秋田市の秋田県児童会館で午前8時55分から16時まで, 小玉株式会社の後援によって行なわれた. 今回の主題については色々と考えてみたが, 基礎的なものとしては, やはり麻酔をかける時や, ICUでの治療のさいに, 病態や薬剤投与の場合に, 常に念頭においておかなくてはならない「心拍出量とAfterload」を先ずひとつの主題とした. 少し固苦しく, またあまり明確なものが確立して打ち出せないのではないかと懸念したが, これはこの主題のシンポジウムの司会をした京都府立医科大学麻酔学教室の田中義文助教授の進言によることもあって, 採用した. もうひとつの主題は, 最近ますます症例の増加している「心大血管合併症の患者の麻酔」である. 心臓疾患や大血管疾患を合併している患者の麻酔は, 高齢化にともなって増加しているし, 開心術のように心そのものを構造修復する麻酔や手術も難しいが, 合併症として持っている患者の麻酔や手術は, 心大血管の病変自体がよくなるわけはないから, 考えようによってはもっとむづかしいものである. |