Abstract | 前負荷, 後負荷, 心収縮力, 心拍数は互いに影響を及ぼし合いながら心挙動を決定しているが, ことに後負荷の上昇に対して心の応答がどの様なものであるかはProf. J. Cohenが1970年CirculationのEditorialsの中で次の様に述べておられる(Fig. 1). normal functioningの心室ではLV ejectionのImpedanceが増加したとしてもSarnoffらのいうhomometric autoregulationでfiber shorteningを保ちSVは変化はしない. しかし, failing heartではfiber shorteningは減少し, ejection FractionひいてはSVも低下してくるが, この間は心拡大, 心肥大等のpreloadの上昇という代償期を経て後慢性的にSVが低下low cardiac syndromeをつくりだす. この過程において, SV維持のための交感神経系のチャージはさらにvaso-constrictionを通じてLV ejectionへのImpedanceを高めることになり悪循環を生む. 前後負荷軽減療法は, この悪循環を断つ上で極めて有用とされている. failing heartや予備力の少ない循環機能を有する老齢者の術中管理では心不全故ばかりでなくsympathetic nervous chargeがafterload overを生じ重篤な結果を招く可能性は多々ある. |