Japanese | |
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Title | 「問」麻薬拮抗薬・ナロキソンの循環器への作用について |
Subtitle | 質疑応答 |
Authors | 曽根健之 |
Authors(kana) | |
Organization | 岐阜大学医学部麻酔学教室 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 6 |
Number | 3 |
Page | 381-383 |
Year/Month | 1985/ |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御研究会 |
Abstract | 「答」ナロキソンはアメリカでは1971年から, 日本では1985年から主として麻薬性鎮痛薬を用いた麻酔時の呼吸抑制の拮抗薬として臨床で用いられている. ナロキソン, 0.1〜0.4mgの正常人への投与は呼吸, 循環に対して無影響であり, 有効時間が短かい(約30分間)ためによる呼吸抑制の再発に注意すれば安全性は非常に高いとされている. しかし, 1974年のTanaka1)の報告以来, 麻薬性鎮痛薬を用いた麻酔終了時のナロキソン投与が高血圧, 致死性不整脈, 急性肺水腫等の循環器副作用を惹起し, 死亡例もあることが報告されており, 2〜6)ナロキソンの循環器への作用が注目されている. 日本においてもナロキソンの臨床研究が行なわれているが, 因果関係ありとされた高血圧の発生頻度は8.1%と低く, また幸いにして重症例の報告は未だされていない. 解答者もナロキソンを0.2〜0.4mg使用しているが重症副作用の経験はこれまでない. このような麻薬性鎮痛薬を用いた麻酔終了時のナロキソン投与による循環器への作用に関する機序は未だよく解明されていない. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |