Japanese | |
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Title | 脳虚血の形態と機能 |
Subtitle | 総説 |
Authors | 坂部武史, 武下浩, 藤原義樹 |
Authors(kana) | |
Organization | 山口大学麻酔科 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 7 |
Number | 2 |
Page | 719-729 |
Year/Month | 1986/ |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御医学会 |
Abstract | はじめに 脳虚血とは脳血流障害により脳酸素供給量が消費量に見合わなくなった状態をいい, その病態は脳低酸素である. 脳が低酸素に対し抵抗が弱いことは古くから知られており, すでに四半世紀前, 常温のヒトで4-5分間心停止が起こると, 脳機能の完全な回復は望めないとされている. その後の膨大な基礎的研究にもかかわらず, この時間の壁は臨床的には破られていない. しかし, 近年の脳虚血研究をふり返ると, 虚血による脳機能障害が虚血中に起こる変化以外に, 虚血後に血流を再開したとき, すなわち再灌流時に起こるいろいろの血流, 代謝変化に由来するとする見解が強調されているのに気付く. 虚血自体を一次的要因とすれば, 後者は二次的障害要因といえる. これが事実であれば, この二次的障害要因を予防あるいは治療することにより脳はより長い虚血にも耐えうるであろう. このような観点から, 近年の研究では虚血後の二次的要因と脳機能障害との関係を追及するものが多い. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |