Japanese
Titleヘパリン―その薬理作用からみた臨床応用
Subtitle総説
Authors松尾武文
Authors(kana)
Organization兵庫県立淡路病院内科
Journal循環制御
Volume8
Number2
Page183-191
Year/Month1987/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
AbstractI ヘパリンの薬理1) ヘパリンは, 蛋白と多糖体の複合体である酸性ムコ多糖体である. 現在市販されているヘパリンは, ウシの肺やブタの腸粘膜から抽出された生物学的製剤である. 最初の発見が肝から抽出された物質のためヘパリンと名付けられ, それが用いられている. ヘパリンは, 陰性荷電の強い酸性ムコ多糖体で, 多くの薬理作用を持っているが, 臨床的には抗凝固薬としてのみ使用されている. その抗凝固作用は, アンチトロンビンIIIを介する作用で, アンチトロンビンIIIの陽性荷電を持つリジン残基にヘパリンの酸性基が結合することにより, アンチトロンビンIIIに構造変化が起る. アンチトロンビンIIIに構造変化が起ると, アルギニン反応基が露出し, トロンビンなどのセリン系プロテアーゼのセリン活性中心と速やかに反応し, セリン系プロテアーゼを失活させる(図1). またアンチトロンビンIIIに構造変化をもたらしたヘパリンは, アンチトロンビンIIIがセリン系プロテアーゼと複合体を形成した後に, アンチトロンビンIIIの結合部位から遊離し, 新たなアンチトロビンIIIに働くため触媒的な作用といわれている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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