Japanese
Title内皮細胞と血管平滑筋の機能
Subtitle総説
Authors鈴木光, 長尾哲彦, 古森公浩, 陳貴発
Authors(kana)
Organization九州大学医学部薬理学教室
Journal循環制御
Volume8
Number2
Page211-218
Year/Month1987/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract1. はじめに アセチルコリン(ACh)はin vivoでは血管拡張作用を示すが, 摘出血管標本では必ずしも弛緩反応をひきおこさず, むしろ収縮反応をおこす. このparadoxはRobert F. Furchgottの研究室で起こった実験上のミスから, 内皮細胞が関与する事が証明されるに及んで見事な解決を見た13). 彼らはウサギ胸部大動脈標本をノルアドレナリン(NA)で収縮させ, それに各種β受容器刺激薬を加えてNA収縮の抑制の程度からβ受容器刺激作用の比較検討を行なっていて, 誤ってcarbacholを加えてしまったところ大きな弛緩反応がおこった. その当時まで摘出血管ではAChは収縮薬で, NA収縮時にAChを加えるとさらに収縮が増強されることを多くの研究者が報告していたし, Furchgott自身もそのような結果を得ていた12)ので, この収縮から弛緩への変化に困惑し, その原因を考えた. ほどなく彼らはその原因が標本作成方法の違いにあることに気付いた. すなわちAChで収縮するのは血管をラセン状に切った標本で, AChで弛緩するのは血管を輪切りにした標本であった.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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