Abstract | はじめに 気管支喘息の治療における最近のトピックスは, 経口の抗アレルギー薬の開発である. 現在, 気管支喘息の発症に種々の化学伝達物質の関与が明らかにされているが, 歴史的に初めて気管支喘息予防薬として登場したのはdisodium cromoglycate(DSCG:インタール)である1). DSCGは肥満細胞や好塩基球からのヒスタミン遊離抑制作用を有する画期的な薬物であったが, 吸入による局所投与でしか効果がなく, 吸入困難な患者や小児には使用し難いなどの欠点があり, 内服の抗アレルギー薬の開発が望まれた. tranilast(リザベン)は, 江田ら2)により本邦で初めて開発された経口の抗アレルギー薬であり, アトピー型および混合型喘息に対する有用性が証明されている. ketotifen(ザジテン)3)は, ヒスタミン遊離抑制作用のほかに抗ヒスタミン作用を有し, 運動誘発喘息にも抑制効果を示す. これに対し今回紹介するazelastine(アゼプチン)は, ヒスタミン遊離抑制作用および抗ヒスタミン作用のほかに, 抗leukotriene(LT)作用を有する新しいタイプの経口抗アレルギー薬として注目されている4, 5). |