Japanese
Title医学研究はどうあるべきか- 一つの論争に思う-
Subtitle巻頭言
Authors小林建一
Authors(kana)
Organization東京慈恵会医科大学麻酔科
Journal循環制御
Volume8
Number4
Page445-446
Year/Month1987/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract多くの読者は既にご承知と思うが, 1987年7月のAnesthesiology誌上で, Harteは「人権と臨床研究」と題する小文で, Tamowらの臨床研究の方法論について批判している1). 最近医学研究のあり方について自律を求める声が多く, 更に臨床研究のみでなく, 動物実験についての批判も少なくない. この際, この問題について考えてみたい. 1. ある論文 Harteの批判の対象となったものは, イソフルレンはペーシングによって起こる心筋虚血に対する耐性を改善する, と題するTarnowらの論文である2). これは冠動脈疾患のある患者に対して, イソフルレンが有利か有害かを評価するため, 冠動脈圧を中等度に低下させる濃度の笑気併用イソフルレン麻酔の前・中に, 上室性ペーシングの漸増により生じたストレスに, 心筋がどの程度耐えられるかをみたものである. 対象は定時の冠動脈再建術が予定されている慢性の, 安定した狭心症患者であり, 重症例は当然除外されている. それでも14例中9例には心筋梗塞の既往があり, 全例狭心発作に硝酸塩を使用し, 10例はβ遮断薬, 7例はCa拮抗薬の投与を受けている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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