Japanese
Title心臓の拡張期動態
Subtitle誌上シンポジウム―心不全― 特集
Authors芹澤剛
Authors(kana)
Organization東京大学医学部第二内科
Journal循環制御
Volume9
Number1
Page5-9
Year/Month1988/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract心臓の拡張障害が生ずると, 臨床的には, 流入圧の上昇によるうっ血と, 心室充満量の低下による低心拍出量が生じ, 進行すれば, まさしく“うっ血性心不全”の病態となる. しかし, 心臓の拡張障害(以降は左室拡張期伸展性の障害と表記する)は周知のごとく表1に示す様な様々な機序で出現するものであり, 必ずしも総てが左室の収縮不全に伴うものではないし, また心筋自体の硬さ(スティフネス)の上昇によるものでも無い場合がある1). 心臓は固く厚い心膜に包まれているので, 心膜腔に急速大量の液体が貯留(心タンポナーデ)したり, 心膜の肥厚・繊維化(収縮性心膜炎)が起こると, 左室の拡張期伸展性は障害される. また, 右室が拡張すると, 中隔を介して直接左室を拡張期に圧迫するだけでなく, 固く狭い心膜腔内で右室が拡張することで, 心タンポナーデ類似の状況となり, 左室伸展性を障害する. この関係は, 右房, 左房の拡張が起こり, 心膜の伸展が追従できない場合も同様である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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