Japanese | |
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Title | 静脈還流 |
Subtitle | 誌上シンポジウム―心不全― 特集 |
Authors | 麻野井英次 |
Authors(kana) | |
Organization | 富山医科薬科大学第2内科 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 9 |
Number | 1 |
Page | 11-16 |
Year/Month | 1988/ |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御医学会 |
Abstract | 1. はじめに 心血管系の重要な機能は, 心臓と静脈および動脈系が一つの閉鎖ループを形成し, 末梢組織の需要に応じて送血を司っている点である. 心拍量は, このような心臓と血管系の相互作用により決定され, 病態に応じて両者の適合様式は変化する. ここでは心臓と末梢血管系の相互作用により規定される静脈還流に焦点を当て, 心不全における循環平衡の変化をみることにする. 2. 静脈還流の重要性 心拍出量の増加に静脈還流が果たす役割は, 後述するようにGuyton1)の理論的取扱いにより明確にされた. 図1は, 心収縮性, 心拍数, 末梢血管抵抗および循環血液量と心拍出量との関係を示したものである2). この図から, 心収縮性を4倍にしても, 心拍出量は10%しか増加しないこと, 心拍数を2倍にしても心拍出量の増加はせいぜい20%にすぎないことがわかる. 一方総末梢血管抵抗を半分にすると心拍出量は1.5倍となり, さらに循環血液量を2倍にして静脈還流を増加させると, 心拍出量は2倍に増加する. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |