Japanese
Title高気圧酸素療法(HBO)とその呼吸循環系に及ぼす影響
Subtitle総説
Authors眞野喜洋
Authors(kana)
Organization東京医科歯科大学医学部公衆衛生学教室
Journal循環制御
Volume9
Number2
Page181-188
Year/Month1988/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract1. はじめに 高気圧酸素療法(HBO:hyperbaric oxygen therapy)は, 高い動脈血酸素分圧(PaO2)により低酸素状態の組織や疾患部位へ溶解酸素を供給することによって酸素欠乏状態を改善させることを目的とした治療方法である. 高圧へ人が暴露された歴史は古く, 職業としての潜水の始まりは五千年以上前まで溯ることができる1). 潜水についての記録ではBC5世紀のギリシャの歴史家, Herodotusの著作が最も古いが, ダイバーが呼吸袋を携帯するという考え方は既にBC9世紀のアッシリアのフリーズ(frieze)の中に記述されている. しかし, 実用可能な潜水装置は1240年のR. Bacon以来といってよく, この頃から高圧の概念が認識されるようになった1). 高気圧治療が始めて行われたのは1662年, イギリス人Henshawによるとされている2). Priestleyによって1774年に発見され, 1777年にLavoisieによって名付けられた酸素がある種の疾病に有効であることが知られるようになり, 本格的な高気圧治療が行われるようになったのは19世紀に入ってからである.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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