Japanese
Title血管壁とDIC
Subtitle誌上シンポジウム:DICの病態生理からみた治療 特集
Authors中川雅夫
Authors(kana)
Organization京都府立医科大学第二内科学教室
Journal循環制御
Volume10
Number1
Page11-14
Year/Month1989/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstractはじめに DICは種々の基礎疾患を有する患者において, 何等かの誘因により血管内での血液凝固が亢進し, その結果として全身諸臓器血管内に血栓形成による血流障害を生じるとともに, 多彩な出血症状および臓器障害を呈する一連の症候群であるが, この病態の形成には血液成分と血管壁内皮細胞との相互関係が重要な役割を果たしていると考えられる. 基礎疾患による血管壁内皮細胞の損傷が直接血栓形成の引き金になることもあるが, 基礎疾患にもとつく血栓形成が血管壁の損傷に関与することも従来から指摘されているところである. しかしながらDICの発症に於ける血管壁内皮細胞と血液成分との相互反応についてはなお未解決の部分が多く, この病態の発症機序との関連についてはまだ完全には解明されていない. 本項では血管壁内皮細胞と血液成分との相互関係につき簡単にふれるとともに, DICの病態生理の面から血管壁内皮細胞の重要性について記すことにする. I)抗血栓面としての内皮細胞 血管内皮細胞は血管壁の最内腔に位置し, 血液と接して存在しており, その生理的機能としては血液と血管壁との関門(blood barrier)としての機能と抗血栓面(antithrombotic surface)としての機能の二つの重要な役割を果たしている1).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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