Japanese
TitleDICの凝血学的検査と治療
Subtitle誌上シンポジウム:DICの病態生理からみた治療 特集
Authors松尾武文
Authors(kana)
Organization兵庫県立淡路病院内科
Journal循環制御
Volume10
Number1
Page21-30
Year/Month1989/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract1. はじめに DICは, 血液凝固反応の活性化によって起る. 活性化の原因としてエンドトキシン, アチドーシス, 低酸素血症, ウィルス血症, 免疫複合体による血管内皮の傷害がある. 血管内皮が傷害されると, XII因子が活性化され, 凝固系と同時に線溶系も活性化される. 前者は, 内因系の凝固の活性化である. これに対して, 組織損傷によりprocoagulantが放出されると, 外因系のVII因子が活性化され, DICが発生する. 敗血症, 重篤な外傷, 悪性腫瘍や脳の挫傷の場合のDICは, 単球や白血球を含めた組織損傷から, procoagulantが放出される. またある種の蛇毒では, 直接プロトロンビンやX因子を活性化させる作用があり, このためにDICが発生する. DICでは, 凝固系が活性化され血管内でトロンビンが生成される1). 図1に示す様に, トロンビンは, フィブリノゲンに作用して, フィブリノペプタイドA・Bとフィブリンモノマーが出現する. フィブリノペプタイドAの測定は, RIAやELISAによって可能であり, 凝固亢進状態の分子マーカーとして用いられている(表1).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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