Japanese
Title血液レオロジー -理論と臨床応用-
Subtitle講座
Authors谷口興一*
Authors(kana)
Organization*東京医科歯科大学第2内科
Journal循環制御
Volume10
Number2
Page295-304
Year/Month1989/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「1. 緒言」血液は液体成分である血漿中に血球を含む懸濁液suspensionであり, 血球の体積百分率であるhematocrit(Ht)は40〜45%である. 血液の運動を論ずるにあたっては, 血液の流動特性と血管の力学的特性が基礎となる. この血液流動を研究する学問が血液レオロジーである. 生体内の静止状態において, 赤血球はbiconcaveの円板状で直径は7〜8μm, 中心凹状部の厚さ約1μm, その周りの最厚部で2.4μmぐらいである. 流血中ではその速度に応じて急激に変化して円板状から流線形, 弾丸状に変形し, 内径が8μm以下の毛細管でも通過することが可能であるが, 生理食塩液中に入れるとコンペイト状になる. 以上のごとく, 赤血球の変形能は著しく大きく, 重要な意義を有する. いうまでもなく, このような血球のsuspensionである血液は非ニュートン性を有する流体として扱われている. さて, Scott Blair 1)やCopleyら2)が提唱して以来, 血液は専らCasson流体として取扱われ, 測定装置としては大きく分類すると, 毛細管粘度計と回転粘度計の2種類があるが, いずれも数種の改良型がある. 毛細管粘度計はずり速度が大きく(1000〜2000sec-1), 全血の測定には不適当であり, 回転粘度計は種々のずり速度で連続的に測定できるということで, 好んで用いられている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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