Abstract | 「はじめに」紫外吸光検出器(UV)に比較し, 選択性, 感度とも高い蛍光検出器の感度を, 更に上昇させる手段の1つに, 光源出力を増大させる方法がある. しかし散乱などの光源由来の雑音により, SINの向上があまり望めない. そこで, 光源を使用しない化学発光(CL)分析装置が開発された. 一方, 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)はその汎用性の高さから, 化学, 薬学および医学などの, 広範囲に普及している分離分析法である. 近年, CL検出器を用いたHPLCの高感度定量法が検討されているので, ここに簡単に紹介する. 「原理および装置」特定の化学反応の結果生成した励起状態の分子が, 基底状態に遷移する時に光を放射する現象をCLといい, 血痕の鑑別に用いられるルミノール反応はその1例である. ちなみに生物に於いて, 酵素が関与する発光反応を生物発光(ホタルや夜光虫が例として上げられる)というが, 本質的にはCLと同様である. このCLを検出器内フローセルに近接する光電子増倍管にて測光し, 電気信号に変換して記録する. 従って本法に於ける感度は, 反応系の発光強度と光電子増倍管の性能に依存する. 本邦で入手可能なHPLC用CL分析装置を数例表1に紹介する. |