Japanese
Title橈骨動脈における血圧測定の問題点
Subtitle特集
Authors郷律子*, 斎藤隆雄*, 木村英之**, 近藤明男**, 樋口精一**, 加藤逸夫***
Authors(kana)
Organization*徳島大学医学部附属病院麻酔科, **徳島大学医学部附属病院手術部, *** 徳島大学医学部附属病院心臓血管外科
Journal循環制御
Volume10
Number3
Page371-378
Year/Month1989/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract現在, 血圧測定用の機器には, 多種多様なものが市販されている. Riva-Rocci法, いわゆる聴診法を原理としたものが一般に用いられてきたが, これとは起源の異なる振動法を利用した自動血圧計が普及し, 手術室のみならず広く医療現場で使用されるようになった. 振動法とは, マンシェットを上腕その他にまき, 内圧を収縮期圧をこえるまであげ, 徐々に減圧していくと, マンシェット内圧において動脈拍動にともなう規則的な振動が発生するが, この振動の振幅が急激に増大する点, 最大となる点, 急速に減衰する点がそれぞれ収縮期血圧, 平均血圧, 拡張期血圧に相当するというものである1). 血管の外圧が内圧と等しくなったとき, 血管壁は最もフリーに動き得るという現象を原理としている. 聴診法と振動法は特別なテクニックを必要とせず, 手軽ではあるが, 一回の測定に数十秒を要することと, 脈圧が極端に低下すると測定不能となるため, 血圧の変動の激しい手術にはしばしば観血的に動脈内圧が測定されている. このときカテーテルを留置する血管としては, 穿刺が容易で側副血行があるという点で, 橈骨動脈が最も多く選択される. しかしこの動脈の圧をそのまま血圧とし, これを指標に全身管理を行なう事はさまざまな問題を含んでいる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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