Abstract | 「はじめに」麻酔中の循環動態, 呼吸動態の管理は観血的方法と非観血的方法がある. 観血的方法は患者に掛ける負担が多いいが, 再現性に富み一般的である. しかし, 多くのモニターの使用はそれだけで非常なストレスになり, これが時に合併症の発生にもつながる. この意味でも非観血的患者監視モニターは有用である. 麻酔中に必要な患者監視モニターは循環モニターとして, 1)血圧, 2)脈拍数, 3)連続的循環モニターとして, カテーテルによる直接動脈圧測定, プレチスモグラム, 超音波血流計などがある. これらの手段はその時々によって使用方法が異なることもあるが, 併用されることが多い. とくに重症例の麻酔には高い傾向が認められる. 我々も従来より非観血的血行動態の定性化から定量化を求めて試作を重ねその結果を報告している. 今回この様な手段の臨床方法としてFinapres 1)を使用する機会を得たので, その結果と有用性を検討したので報告する. 「方法と対象」特に開心術症例について検討した. 麻酔導入前, 橈骨動脈に観血動脈圧カニューレを留置し, トランヂューサーを経てポリグラフに表示した. また, 同側の中指第1と2関節の間にFinapresのセンサーを付け, 計測は麻酔導入前中, 気管内挿管直後, 維持麻酔の4時点で同時記録をおこなった. |