Japanese
Title神経性循環調節における問題点と研究の進め方
Subtitle巻頭言
Authors二宮石雄*
Authors(kana)
Organization*国立循環器病センター研究所心臓生理部
Journal循環制御
Volume10
Number4
Page527-528
Year/Month1989/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract近年, 循環制御に関与する神経系の役割が重要視され, その研究の必要性が認識されつつある. 神経性心・血管運動調節に関する研究の飛躍的発展を計るためには, 過去の歴史の正しい分析と評価から学ぶとともに, 現在かかえている問題点を抽出し, それを解決するための新しい概念と方法・技術を開発・導入することが基本的に大切と考えられる. そこで, 25年以上にわたって神経性循環調節の研究にかかわった者としての立場から述べてみたい. 血管運動が神経性調節を受けていることは, 家兎耳血管の神経"切断"によって血管が拡張し, 神経の"電気刺激"によって血管が収縮することを発見したBernardの一連の研究(1851〜1858)によって知られた. 以来, 血管平滑筋, 摘出血管片, 臓器血管床から全身循環系レベルまで各階層にわたる広範かつ微細な領域で血管運動の神経性調節に関する研究が行われて来た. これら一連の研究の流れで, 非常に興味ありかつ驚くべき事実は, 極めて単純な2つの方法, 即ち自律神経の"機械的切断"と"電気的刺激"を行い, それに対する"脱落現象"や"応答"を血管平滑筋, 血管, 臓器循環のレベルで調べる実験が現在まで, 約140年にわたり採用されている点である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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