Japanese
Title細菌性ショック時の交感神経活動の特異性
Subtitle特集
Authors小山省三*
Authors(kana)
Organization*信州大学医学部第2生理学教室
Journal循環制御
Volume11
Number2
Page183-190
Year/Month1990/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」細菌感染(敗血症)にともなって循環不全が発生することは, 1948年Spink等1)の報告以来, 数多くの実験的研究や臨床的研究が行なわれてきている. しかしながら多数の精力的な研究成果にもかかわらず, その詳細な病態生理はいまなお不明の点が多い. Walter Cannon 2)が出血性ショックや体温調節の研究から生体機能に対する"ホメオスターシス"の概念を導き出して以来, 自律神経系は内分泌系とともに重要な調節機構であることは広く認められてきている. 一方, 細菌性ショック時の低血圧に対する生体防御機序については, 出血性低血圧で得られた実験成績に基づいた反射性自律神経応答様式で, 細菌性ショック時の病態解析がなされてきた傾向がある. 本症候群の病態について, 古くから自律神経系の関与が論議されてきている一方, いまなお検討を続けなければならない問題点などを含めて, 著者等の実験成績を中心にして, 現状での細菌性ショック時の自律神経応答について概説を試み御批判を得るとともに, 将来的な病態解析の足がかりになることを願うものである. 〈エンドトキシン投与によって発生する低血圧時の交感神経反応は, 出血時の交感神経反応様式と同様であるのか?〉細菌膜から遊離されるエンドトキシンによって循環不全が発生することにより3), 細菌性ショックの実験モデルとしてエンドトキシンは繁用されてきている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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