Japanese
Title高山病
Subtitle講座
Authors上田五雨*
Authors(kana)
Organization*信州大学医学部環境生理学教室
Journal循環制御
Volume11
Number2
Page251-254
Year/Month1990/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract軽い高山病は生体の示す高山での生理学的反応であり, 高山滞在中に自然に消滅する. しかし, 生体の抵抗力を越えるような重いものは一定の処置をしないと, 更に進行する危険性がある, その原因の一つは高山の気象条件である. 高山の気象条件とは低地のそれと異なり, 低気圧性低酸素と低温が, その特徴である. その他にも強い紫外線とか風とか, の影響も体に作用するが, それらは身体の局所に作用するに過ぎない. 気圧は地表面のものを1気圧とすれば, 高度6,000mで, 1/2気圧, 9,000mで1/3気圧位となる. 日本の3,000m位の所では, 海岸沿の気圧の7割位になっている. 空中の酸素濃度は山の高度の範囲では, 21%とみなされるので, 高度の上昇と共に酸素分圧も減少してくる. 低気圧は低圧とも呼ばれ, 高地の気象は, 低圧性低酸素状態(hypobaric hypoxia)と呼ばれている. また, 気温は100mの上昇ごとに, 0.6℃ずつ下がり, 湿度も低くなっているので, 夏は涼しくてよいが, 冬は寒さが厳しい. 一日の中の最高と最低気温の較差は山では大となる. また, 山の天気は変わり易く, 強い風は低圧のために, 風圧は低くなっているが, やはり冷却効果は実際の気温以上に体に及ぼすので, 生体には気象の各要素の複合効果が現れる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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