Japanese
Title肝血流量の測定について教えてください
Subtitle質疑応答
Authors中村正人*
Authors(kana)
Organization*近畿大学医学部麻酔科学教室
Journal循環制御
Volume11
Number2
Page279-281
Year/Month1990/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract肝循環動態を把握するためには, 肝血流量の測定は不可欠な検査であり, 様々な方法が開発され試みられている. これらのうち代表的なものをとりあげて, その概要と特徴を述べてみたい. 肝血流量の測定法には大別して, 希釈法などを取り入れた間接的な測定法, 門脈や総肝動脈などの血管を流れる血流量を侵襲的あるいは非侵襲的に測定する方法, 局所の肝組織の血流量を測定する方法の3つに分けられる. 「1. 間接的な方法による肝血流量測定」「a)色素持続注入法」肝のみで除去される色素を末梢静脈より点滴静注し, 血中濃度が一定となった後で肝静脈に挿入したカテーテルおよび末梢動脈から一定時間ごとに採血して, 末梢動脈血漿中色素濃度(Cp:mg/dl), 肝静脈血漿中色素濃度(Ch:mg/d)を測定する. ここで肝における色素除去量をR(mg/min), 肝血流量をEHBF(estimated hepatic blood flow ; ml/min)とすると, 肝血流量は以下の式で求まる. EHBF=R/0.01(Cp-Ch)×1/Hct 色素としては, Bradleyの原法1)ではBSPが用いられるが, 肝での取り込みの特異性と肝機能が悪くても取り込みが充分行われ, 動脈血中濃度もよく保たれるICG(indocyanine green)がよく用いられる2). この方法は, 肝静脈にカテーテルを挿入しなければならないことから非検者への侵襲が大きく, カテーテルの肝循環への影響も否定できない. また色素濃度が門脈と肝動脈で同一であるなどの仮定も多い.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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