Abstract | 「1. はじめに」本研究所は昭和13年に東京高等歯科学校に設置された歯科材研究室に始まる. この研究室では金属義歯に関する研究が行われていたが, 昭和20年に戦災で壊滅した. 昭和21年に国立東京医科歯科大学に昇格して, 昭和26年には歯科材料研究所が設置され, 5研究部が設けられたが, 計測機器部門はなかった. 医科でもMEや人工臓器が発展しつつあったので昭和41年にその名称を医用器材研究所と変更し, 昭和42年に計測機器部門が増設された. 本研究所は千代田区側にある. 病院が目立つので病院と同じ湯島地区にあると思われているが, 神田川を隔てて反対側である. JRお茶の水駅前から新宿方向に歩いて2分, 交通至便である(図1). 都心のまっただなかにある6階建てのビル(図2)で, 11階建ての難治疾患研究所と同じ敷地にある. 部門は表1のように編成され, 職員の定員は表2のようである. 面白いことに, 東京医科歯科大学は名称のごとくに医学部と歯学部とからなる大学であるのに, 本研究所のスタッフでは医者は歯科医師も含めて私一人だけであり, 他はすべて工学か薬学出身のエンジニアである. ただし, 本研究所で博士号を取得したスタッフは医師または歯科医師免許証のない, 医学または歯学博士である. 身分は国立大学の職員, すなわち国家公務員である. |