Japanese
Titleフレカイニド
Subtitle薬剤紹介
Authors比江嶋一昌*
Authors(kana)
Organization*東京医科歯科大学第1内科
Journal循環制御
Volume11
Number3
Page391-392
Year/Month1990/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「概略」フレカイニドは, 1977年, 米国3M社において局所麻酔剤のスクリーニングの過程で見出されたもので, Vaughan Williams分類のクラスIC群に分類される抗不整脈剤である. その対象となる不整脈は上室性および心室性の頻脈性不整脈で, とくに心室性不整脈に対して有効であるとする報告が多い. 本邦においては, すでに経口剤に関する臨床治験は終了し, 厚生省へ申請中であり, 現在では静注剤についての多施設臨床治験が進められている. フレカイニドについての概要は次のごとくである. 一般名:酢酸フレカイニド(flecainide acetate) 商品名:タンボコール(Tambocor) 分子式:C17H20F6N2O3・C2H4O2 分子量:474.40 化学構造: 剤型:1錠中, 50mgおよび100mgの酢酸フレカイニドを含有する裸錠 「電気生理学的作用」フレカイニドは, 細胞の安静時膜電位を変えずに容量依存性にVmax(最大立ち上がり速度)を抑制するが, 活動電位持続時間に対してはほとんど影響を及ぼさない. つまり, 本剤はNaイオンの細胞内急速流入を著しく抑制するわけであるが, Naチャンネルに対する薬剤の解離・結合面から眺めると, 長い回復時間を特徴的とするslow drug(回復時定数 ; 約30秒)に属する. フレカイニドの伝導抑制作用はヒス・プルキンエ系(27-47%の抑制)をはじめ, 心房, 房室結節(15-27%)および心室(11-22%)にも及ぶが, 不応期に対する抑制作用はあまりないようである.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

【全文PDF】