| Abstract | Nilvadipine(商品名：ニバジール)は, 藤沢薬品工業(株)開発研究所で開発合成された薬剤で, 1979年より開発に着手され, 1989年4月に市販されたdihydropyridine系のCa拮抗薬である. 本剤の特徴として, まず第一にCa拮抗作用が持続的であるということがあげられるが, これは徐放化製剤による作用ではなく, 本剤の作用自体が持続的であることである. このため, 1日2回の投与で24時間続く降圧効果が得られる. さらに, 脳や冠動脈など重要臓器の血流量を増やす傾向があること, 血管選択性が高く心臓抑制を起こしにくいこと, 安全性にも優れていること, などが挙げられる. 本稿ではnilvadipineの薬理作用および臨床成績の概略を紹介する. 「1. Nilvadipineの薬理作用」Nilvadipineは, 化学構造上nifedipineと関連したCa拮抗薬であるが, 図1に示すように3位と5位, 2位と6位の側鎖がそれぞれ非対照の化学構造を有している. 化学名は5-isopropyl 3-methyl 2-cyano-6-methyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydro-3,5-pyridine dicarboxylateである. 分子式はC19H19N3O6, 分子量は385.38, 性状は黄色の結晶または結晶性粉末でにおいはない. クロロホルム, アセトンに溶けやすく, エチルアルコールまたはエチルエーテルにはやや溶けにくく, 水またはプロピレングリコールにはほとんど溶けない. |
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