Abstract | 身体構成成分の測定には, デンシトメーター, CTスキャン, カリウム, エレクトリカル・コンダクティビティ法, 同位元素による希釈法, RI不活性ガスによる方法, MRIによる方法などが用いられているが, 費用と操作の煩雑さの点から, 臨床での応用は困難である. また, 皮膚厚測定器, 超音波, 赤外線による方法も報告されているが, 正確さにかける欠点がある1). 今回用いたBioelectrical impedance analysis(BIA)法は非侵襲的で, 短時間で使用でき, 技術的にも簡単で, 特に患者の協力も必要ではなく, 機器もポータブルであると言う利点を持つ. BIA法は生体に電流を通過させたときの, 抵抗を測定して身体構成成分を求める試みである. 生体は, 細胞内および細胞外液を含み, コンダクターとして働き, 細胞膜はコンデンサーとして働く. 低い周波数では(1kHz以下), 電流は主として細胞外液を伝わるが, より高い周波数では(500-800kHz)細胞外液と内液両者に伝わるとされる2). 本法の前堤として, 身体成分は2つに区分され, 脂肪と除脂肪成分に分かれる. 脂肪組織はほとんど水分とカリウムを含まず抵抗が高く, 0.9g/ccの密度を持つ. 除脂肪成分は1.1g/ccの密度で, 男性では60-70mM/kgまた女性では50-60mM/kgのカリウムを含み, 水分は72-74%とされている. |