Japanese
Title脳蘇生
Subtitle特集
Authors坂部武史*, 中木村和彦*
Authors(kana)
Organization*山口大学麻酔・蘇生学教室
Journal循環制御
Volume12
Number2
Page213-222
Year/Month1991/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」一過性の脳循環停止で急性死をまぬがれた細胞では, 循環再開後比較的早期にエネルギー状態は回復する1). しかし, これらの細胞のあるものは, ある一定期間後死に至ることがあることが明らかにされ, その機序としてさまざまな二次的要因が関与することが示唆されるようになっている. これが事実とすれば, 治療(脳蘇生)法に期待がもてる. 脳蘇生というとき, 心肺蘇生の延長としての狭義のもの(心肺脳蘇生)と, 外傷, 血管障害, 感染などの侵襲が加わった脳の機能改善をはかる広義のものとがある. 本稿では主として心停止に代表される全脳虚血の病態について考察し, 脳蘇生に有効と考えられる治療法について述べる. 「1. 脳虚血の基礎」「1)脳が虚血(低酸素)に弱いとされてきた理由」脳はその重量が体重の約2%にすぎないが, 全身の酸素消費量の約20%を消費する代謝率の高い臓器で, しかも, エネルギー源(ブドウ糖)貯蔵量が少ない. 通常心拍出量の16〜18%に相当する高い脳血流量で酸素, エネルギー基質が供給されているが, これが障害されると容易に脳の機能は停止する. 代謝が高いという以外に, その機能が極めて複雑で, 循環が再開してエネルギー状態が回復しても複雑な神経伝達機構の修復が容易でないことがあげられる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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