Abstract | 抗不整脈薬が臨床的に使われる様になって久しいことは周知のことで, キニジンやプロカインアミド, またリドカインが各種の不整脈に使われる様になった歴史は50年にも及ぶ. 近年の心臓病学の進歩は各種の死亡要因を減少させ, 不整脈についてもより高い有効性, 副作用軽減が求められ, その結果この約20年間に世界中で抗不整脈薬の開発が進められ, 多くの薬物が前臨床や臨床で使われる様になり, 適当な分類が必要になってきたのは当然である. 特に薬物の分類はその薬物の適応や禁忌を容易に決定出来れば有用であり, そのためには不整脈の診断, 発生機序の同定, その容易な診断方法の確立とともに薬物の詳細な有効性, 作用部位, 作用様式の知識が必要になる. そしてこれらの解明度が時代とともに変化するにつれ, 薬物の分類方法も変化してきた. 現在よく用いられるクラスI〜IVという抗不整脈薬の分類はOxfordのVaughan Williamsが1970年にキニジンなどの薬物が局所麻酔作用を持つことから, それによる心筋の興奮を抑える作用が抗不整脈作用の本態と考えクラスIの作用として記述し, その後I〜IVまた最近はVの作用を持つものとして分類したものである1). |