Japanese
Title静脈系の神経性調節
Subtitle特集
Authors外須美夫*
Authors(kana)
Organization*九州大学医学部附属病院麻酔科蘇生科
Journal循環制御
Volume12
Number3
Page413-418
Year/Month1991/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」自律神経(交感神経および迷走神経)による循環調節は, 心臓, 抵抗血管(動脈), 容量血管(静脈), および腎臓を介して行なわれる. 交感神経の亢進は, 血管抵抗上昇, および静脈還流量増加, 心筋収縮力増強, 心拍数増加により心拍出量を増加させ血圧上昇をもたらす. 迷走神経の抑制は, 心拍数増加, 心筋収縮力増強により心拍出量を増加させ血圧上昇をもたらす. このほか交感神経系は, 腎のナトリウム排泄, レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を介して血圧調節に関与している. 静脈系は全血液量の65-75%を貯留しており, 交感神経の亢進により静脈の収縮が起こると, 貯留していた血液が心臓へ移動し, 静脈還流量が増加する. また, 交感神経の抑制は, 静脈を弛緩させ, 静脈還流量を減少させる. ここでは, 自律神経による循環調節のうち, 圧受容体反射, 化学受容体反射による静脈還流量の調節について述べる. 「出血, 輸液, 交感神経活動変化による静脈還流曲線の変化」出血により, 循環血液量が減少すると, 心臓の前負荷が減少し, 心房圧, 心室拡張期圧が減少する. それらは, 心臓に存する低圧系の圧受容体を介して遠心性交感神経活動を増加させる. さらに, 心拍出量が減少し血圧が低下すると, 動脈圧受容体反射を介して交感神経活動が亢進する. 交感神経活動の亢進は, 静脈還流量を増加させ, 出血による前負荷減少に代償的に働くことになる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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