Japanese
Title組織循環と物質輸送
Subtitle講座
Authors神谷瞭*
Authors(kana)
Organization*東京大学医学部医用電子研究施設
Journal循環制御
Volume12
Number3
Page523-529
Year/Month1991/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」組織循環の機能目的が, 毛細血管を介する組織への物質供給と老廃物の搬出であることは言うまでもない. 毛細血管網を含めた血管系と組織系の形態と機能が, この目的を効率よく達成する為に発達して来たことは, 種々の実例から見て, 間違いのないことの様に思われる. 本文では, 物質輸送の中でも, 特に緊急でかつ常に不可欠な組織への酸素供給を例にとって, 我々のグループでの研究果1),2)を中心にして, 組織循環と物質輸送の問題を論じてみたい. 「微小循環調節:局所代謝性組織循環調節と中枢自律神経性調節の相互作用」末梢循環の調節機能として代表的な局所代謝性調節と中枢自律神経性調節の相互作用を, 骨格筋微小循環の生体顕微鏡観察をもとに解析した経験がある2),3). まず, その研究について述べよう. 「1)実験方法」骨格筋としては, 家兎の大腿にあるM.Tenuissimusを用いた. この筋は薄い短冊状の筋で, 厚みが1mm以下であり, 長さ2〜3cmにわたって他組織との剥離が可能であるので, 透過光方式でその微小循環を生体顕微鏡観察するのに便利である4). 筋中央より進入する主要栄養血管(動静脈)を残して遊離し, 第1図の如く, 白色光源とグラスファイバーを介して連結された2個のプリズムをその下に挿入すると, 透過光方式の生体顕微鏡で筋微小循環をきれいに観察することが出来る.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

【全文PDF】