Abstract | 中国での心臓麻酔は1948年に開始された. 体外循環と低体温法の併用は1958年に導入され, 超低体温法は1960年から行われるようになった. 1975年以前の心臓麻酔の基本的な方法は, 2.5%チオペンタールとサクシニルコリンによる麻酔導入後, 2%リドカインの気管内表面麻酔をして気管内挿管し, エーテルとクラーレによる深麻酔で麻酔維持を行い, 表面冷却と体外循環による低体温法を行うというものであった. モニターとしてはECG, 鼻咽喉温度と尿量の測定という程度であった. この方法で当時はASD, VSD, TOFの根治術, MR, MSに対する弁置換術などの開心術が行われた. 1975年以後は麻酔法は次のように変わってきている. 吸入麻酔薬はエーテルに替わりハロセン, エンフルレン, ついでイソフルレンが使用されるようになり, モルヒネやフェンタニールの静注も併用されるようになった. モニターも平骨動脈カニュレーションによる観血的動脈圧のほか血液ガス, 電解質の測定も行われるようになった. これらの測定は, 麻酔前, 気管内挿管後, 体外循環の開始および終了後15分に行って, 各々の補正を行うのを基本とするが, 必要に応じていつでも測定できる体制にはある. ときにスワン・ガンツカテーテルも挿入し, CO, CI, SV, SVI, PAP, PCWP, LVSWI, PVR, SVRなどをモニターすることも行われる. 1975年10月から, 4℃心筋保護液使用による心臓冷却停止, ペースメーカの使用, ACTによる血液凝固能の測定などの技術も導入され, さらに2, 3年前からはETCO2, 酸素濃度, 麻酔ガスモニターなども導入されてきている. |