Abstract | 斎藤(徳島大学医学部・麻酔科) 本日は, お忙しい中を, 「循環制御」の誌上シンポジウムの座談会のためにおいでくださいまして, どうもありがとうございます. 私, 司会をさせていただく, 徳島大学・麻酔科の斎藤でございます. もう1人の司会者には, 東京医科歯科大学・内科の谷口先生にお願いをいたしました. どうぞよろしくお願いいたします. 「循環制御」という雑誌は, 日本循環制御医学会という学会の機関誌で, 会員の大部分が麻酔科医ですが, その麻酔科医たちがなぜこういう冠盗流, あるいは盗血という難しいテーマに興味を持ったかということを少し申し上げてみますと, まず第1に, ICUを含めた麻酔の臨床では, 元来, 循環器系の非常にテンポの速い変化を取り扱う機会が多いわけですが, 最近, 冠疾患を持っている患者がふえてまいりまして, 冠循環に対する関心が高まってきたことがあります. 第2には, 血管拡張薬を麻酔の臨床に使う機会が多くなってきたことです. 第3には, 最近, イソフルレン, セボフルレンなどという血管拡張作用の強い吸入麻酔薬が普及してきたことにより, 麻酔科医たちが冠循環, 特に冠盗流というものに目を開くようになってきたという背景があります. |