Japanese
Title麻酔と肝虚血
Subtitle特集 誌上シンポジウム =臓器虚血の特異性〔肝〕=
Authors松本延幸, 源田正, 長坂浩, 堀孝郎
Authors(kana)
Organization埼玉医科大学麻酔学教室
Journal循環制御
Volume13
Number2
Page231-237
Year/Month1992/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」近年, 肝血行遮断, 灌流による肝切除術や肝臓移植手術など, 肝臓外科領域の進歩には目覚ましいものがあるが, その手術手技の発達はもとより, 周術期の肝臓の血行動態, 酸素需給動態や肝機能の維持に関する基礎的, 臨床的な研究の発展に支えられているところも多い. 本稿では, 麻酔・手術中における肝循環, 肝機能維持の観点から, 1)麻酔薬による肝循環, 肝酸素代謝の変化, 2)麻酔によって肝虚血は惹起されるか, また3)肝虚血と吸入麻酔薬による肝障害との関係, などについて触れてみたいと思う. 麻酔と肝循環に関しては, すでにGelmanによる総説1)のほかに, 著者ら2), 藤田ら3)によって詳述されているが, 種々の麻酔薬の肝循環, 肝酸素需給動態に及ぼす影響については, 著者らの教室で行った研究の成績を元に解説していきたい. 「1. 肝循環の調節機構」肝動脈血流量と門脈血流量の関係は, これまでreciprocal relationshipと説明されて来たが, 門脈血流量の変動に対応して肝動脈血流量は増減するのに対して, その逆は認められないところからLauttらは肝動脈側の血流調節機能を重視して, "hepatic arterial buffer response"(以下HABRと略す)と表現している4,5,6,7).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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