Abstract | 第11回日本蘇生学会総会は, 1992年11月20日, 21日の2日間, 久留米大学医学部麻酔学教室無敵剛介教授の会長主催により, 久留米市石橋文化センターにて行われた. 蘇生学をとりまく医学・医療の実体は時代の流れと共に変遷の一途をたどりつつある. 救急医学, 集中治療医学の目ざましい進歩はもとより, 脳死臨時調査会による脳死を人の死と認める報告, 救急救命士の誕生, 高等学校における心肺蘇生法教育の義務化などここ数年大きな変動がみられた. このような現状を踏まえて無敵会長は, 第11回総会のメインテーマを「医学医療の原典を見極める蘇生学」として, 蘇生学を原点にもどって, しっかりと見直そうという主旨の元に会を運営されたいとのことであり, 随所にそれを感じる会であった. 一般演題数は, 今までの蘇生学会のうちで最も演題数の多い124であった. それらは, CPR, 来院時心停止, 血栓塞栓症, 術中心停止, 脳虚血基礎・臨床, 脳蘇生基礎・臨床, 麻酔管理, ショック, 蘇生搬送システム, 新生児小児蘇生, 循環管理, 呼吸管理, 代謝, の各テーマに分かれ, 各演題10分づつの制限時間のもと, 熱心に討議が交わされた. |