Japanese | |
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Title | 脳死患者の循環状態について教えて下さい? |
Subtitle | 質疑応答 |
Authors | 田伏久之 |
Authors(kana) | |
Organization | 奈良県立医大救急医学 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 14 |
Number | 2 |
Page | 215-216 |
Year/Month | 1993/ |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御医学会 |
Abstract | 頭部外傷や脳血管障害などにより脳死状態におちいると, いわゆる「脳死に伴うショック」と言われる急激な血圧低下が発生する. その後, 循環が維持される期間は別として, 確実に心停止を来たすことになる. この病態の原因は未だ解明されていない点も多いが, 次の様な機序が考えられている. まず, あげられるのは頭蓋内中枢神経組織が破壊されたことに起因するdenervationである. とりわけ, 脳死状態となり延髄のvasomotor centerの破壊を来たした際には末梢血管抵抗の低下をもたらすことになり, これが直ちに血圧を低下させ, 「脳死に伴うショック」を引き起こす最大の原因と考えられている. しかし, この末梢血管抵抗の低下のみで脳死患者の循環状態の変化をすべて説明することはできない. 次にあげられる機序として重要なのは脳死直前に出現する尿崩症である1). 脳死状態での各種hormone産生能の障害が報告されているが, とくに視床下部が破壊されADHが合成されなくなったことによる尿崩症の発生が前述の循環変動の原因として考慮されねばならない. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |