Japanese
Title循環の動的制御における動脈圧受容器反射抑制
Subtitle特集 誌上シンポジウム =循環制御機構における神経・体液性因子の相互作用=
Authors野坂昭一郎
Authors(kana)
Organization三重大学医学部第1生理
Journal循環制御
Volume14
Number3
Page237-242
Year/Month1993/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」循環調節の基本機構としての動脈圧受容器反射の意義について疑義を唱えるものはないであろう. 動脈圧受容器反射による血圧ホメオスターシスは循環生理学におけるセントラルドグマであった. しかし循環機能は決して「恒常性」に固定されることはなく, 生体の全身的あるいは局所的需要に応じて動的に制御される部分がきわめて大きい. 比較生理学的知見はこれを如実に物語っている. 二枚貝は殻を開いて行動をしている時は心臓拍動を示しているが, 一旦殻を閉じるとそれは殆んど停止する1). 殻を開く2, 3分前から心拍動は再開するのでこれは神経性の機序による循環調節である. この様に動物が外的環境に対する行動に伴う循環機能の適応的変化こそ, 循環調節の原型であるという考え方が可能である. 実際にアメフラシの神経細胞には軸索側枝をもって心臓と鰓, 吸管を同時に支配するものすらある2). 動脈圧受容器反射は全身重量の2%にすぎないにも抱わらず心拍出量の14%を分配されている脳や, 0.4%の重量しかないのに5%の配分をうけている心筋などの, 生命維持に第1義的な臓器に対し血流を確保する機構である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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