Abstract | 「I 治療適応と薬剤選択」心室性不整脈の治療適応は, 他の不整脈と同じく, 不整脈による症状が強ければその除去に努めるべく治療しなければならないが, 無症状, ないしそれに近い場合は, 不整脈の重症度に応じて決定される. 薬剤選択は治療目標が達成された場合に生じる利益と, 薬剤により生じるかもしれぬ不利益(副作用・催不整脈など)とを秤にかけて決定する. 「II 心室性不整脈の重症度分類」i)心室性不整脈の重症度分類 心室性不整脈の中で最も発生頻度の高い心室性期外収縮(PVC)の重症度分類というとこれまでLown分類がひきあいにだされることが多かった. Lown自身は陳旧性心筋梗塞(OMI)患者について, その予後を決定する因子としてのPVCをgrading(等級化)したものであるが, 現在は他の疾患の場合でも, 又ときには心疾患のない場合でさえLown分類によって重症度が決められており, 問題視されている. ii)最近の重症度分類 最近では, PVCの出現様式に加え, 基礎疾患の有無, 予後の良否などを総合して悪性, 準悪性, 良性, に分ける分類がさかんになっている(表1). |