Abstract | 「1. はじめに」近年, シネアンギオ, DSA(digital subtraction angiography), CT(computed tomography)などのX線装置の飛躍的な進歩により, 血管造影の件数は, 1970年代に比べて少なくとも数倍に増加している. また, interventional angiographyの確立により, 診断目的だけでなく, 治療目的にも使用されるようになり, 血管造影の頻度ならびに造影剤の使用量は著しく増加し, X線造影法の重要性はますます高まっている. しかし, 造影剤の問題点として, ヨードアレルギー, 高滲透圧, 高粘度, 赤血球の変形能や凝集に対する影響などがあげられ, 副作用が少なく, 造影性に優れ, 低粘度・低滲透圧の非イオン性造影剤の1)の開発が強く翹望されてきた. 今年6月, 従来の非イオン性ヨード造影剤に比べて, より低い滲透圧, より低い粘度の非イオン性造影剤Iomeprol(イオメロン(R))がエーザ株式会社より発売されることになった. この新しい造影剤Iomeprolは, Iopamidolを開発したイタリアのBracco社の開発による製品で, 従来の造影剤に比べて, 低滲透圧, 低粘度で, 優れた造影性と副作用の減少が強く期待されている. |